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コードネームの表記ルール
コードネームの書式は実にさまざまで、いろんな表記が混在しているうえに整理することもできないのが現状です。

サイトの立ち上げにあたり200曲以上の楽曲を同時に解析したため、現在のコード表記の問題点がわかってきましたので、それをふまえつつ本サイトでの表記ルールをお知らせしたいと思います。

○メロディの音も和音の構成音として解釈すべきかについて

サウンド全体の響きのイメージをコードネームとして記すべきだという主張から、メロディーの音を和音の構成音として表記しがちですが、 本サイトの楽譜では伴奏に直接含まれていない音程は和音の構成音としません。

その方が表記がやさしくなり演奏しやすく、また響きも軽いからです。
ただし副旋律の音程が和音を強くイメージさせる場合は、これを含ませることがあります。

さらには伴奏がテンションノートを鳴らしていたとしても、楽曲のイメージに影響しない場合はこれを省略します。

やはり演奏を容易くするための処理です。

ただし以下の様なときは表記します。

・テンションノートがダイアトニックでない場合は必ず表記します。
・テンションが楽曲のイメージに大きく影響する場合は表記します。ジャズやラテンっぽいアレンジ等。
・楽器の数が少ない場合は、些細なテンションが楽曲のイメージを大きく左右するのでこれも表記します。


○テンション
今日の複雑にアレンジされた楽曲に対応するためには、構成音を細かく表記できた方が便利なので、含まれるテンションはおのおの表記し、また表記されていないテンションは構成音に含みません。

なぜこんなややこしい言い方をするかと言うと、和声学においては、9th以上のテンションは7thを前提に成り立っているとされ、例えば「C9」と表記された場合の構成音は7thは表記されていないがこれを含め「ドミソ+シ♭+レ」とするという慣習があったからです。
そのため7thを含まない「ドミソ+レ」という和音をポップスで多用するようになったとき、「Cadd9」(ドミソにレを加える)という言い方をするコードネームをわざわざ作ったのです。

しかし今日では7thを含まないテンションノートなんていくらでもでてきますので、このようなあいまいな表記では区別がつきません。
このサイトでは「C(9)」は「ドミソ+レ」で、「ドミソ+シ♭+レ」は「C7(9)」と表記します。

その他の例としては、「C(13)」=「ドミソ+ラ」「C7(9,11)」=「ドミソ+シ♭+レ+ファ」等です。

そうなると「add9」はもう必要ないことになりますが、例えば「Cadd9」というと、カーペンターズの「Close To You」のように「ドレミソ」とわざとぶつけたヴォイシングをイメージする方が多いのではないでしょうか?
このように、もはやコードネームはヴォイシングのイメージまでをも背負ってしまっているのです。
そのようなニュアンスを含め、本サイトでも (9)とadd9を混在して使用しています。構成音は同じです。

○第3音を含まない和音について
ところが逆に「ドレソ」という第3音がないヴォイシングに対応するコードネームはどうしても必要です。
これを「sus2」と表記します。

普及率を鑑みて「add9」と表記することが多いのですが、「add」は加えるという意味であって、どうしても「ドミソ+レ」というイメージになってしまいます。
「ドミソ+レ」と「ドレソ」は響きが全く違います。
「ドミソ+レ」は安定している和音に飾りがついているイメージですが、「ドレソ」だと「レ」の音は「ミ」の音に解決したがる不安定な響きなので、解決を引き延ばされている、という意味の「sus」がピッタリなのです。

「ファ→ミ→レ→ミ」と動いているときに、「Csus4→C→Cadd9→C」では違和感があります。
「Csus4→C→Csus2→C」と表記すべきです。
だから絶対必要です。

和音の構成音に第3音を含まないものの、4つ以上構成音がありベース以外の音で違う和音を構成できるときは「分数コード」を使います。
例、「ソレファラ」=「Dm/G」

○「6」
これも曖昧な処理をされている表記ですが、その多くは単なる第一展開型ですので、これは「分数コード」で処理します。
例えば「ドミラ」は「ラドミ」の第一展開型ですから「Am/C」と表記します。
「C6」と表記する場合は「ドミソ+ラ」のように第5音が同時に鳴るときだけです。
ですからそうとうジャズっぽい曲でなければでてきません。

但し例外として「ソ→ラ→シ→ラ」のようにクリシェの中に偶成和音として出てくる場合は、頭を統一させるために第5音がない場合でも「6」を使います。
例、「C→C6→Cmaj7→C6」
「C→Am/C→Cmaj7→Am/C」とはしません。

○「♯9」
「♯9」は長3和音上の短3度を便宜上こう言ってるだけです。
ですが、もうみんな慣れてしまっているのでこれを「♯9」と表記します。
では短3和音上の長3度を「♭11」て言うのかよ!!と突っ込みたくなりますが、短3和音上の長3度は大変刺激的なので、実際の楽曲には使用されているのを見たことがないので、問題ないみたいです。

○「dim」「aug」
「減3和音」を「dim」、「増3和音」を「aug」と言うのですが、最近では、「減3和音(シ・レ・ファ)」を「Bm(♭5)」 「減7の和音(シ・レ・ファ・ラ♭)」を「Bdim」とする表記が増えています。

これは「半減7の和音(シ・レ・ファ・ラ)」を「Bm7(♭5)」と表記し始めたことから派生しています。

「dim」を減3和音のことにしてしまうと、「半減7の和音」を「dim7」、「減7の和音」を「dim6」または「dim(♭7)」と表記せねばならず、 新表記を浸透させねばならなくなってしまいます。

仕方がないので、「減3和音」を「m(♭5)」、「半減7の和音」を「m7(♭5)」、「減7の和音」を「dim」と表記します。

たかだか「レファシ」なんていうなんてことない和音を「Bm(♭5)/D」等と表記せねばならず 大変不愉快なのですが、普及率を考えると仕方がない処理です。

これにともない「Caug」を「C(♯5)」と表記するケースも増えてきていますが、 +とか-とか♯とか♭とかは、なるべく少ない方が初心者に優しいと思っていますので、 「aug」は「aug」のままにしています。
そもそも一目で視認できてパッと指が動くのがコードネームのいいところであり、 複雑に表記をするぐらいなら、一段増やして音符を書いた方がましなのです。